西表島探検隊 |
祖納から白浜に向かう途中にある小さな泉。 雨が降らないとほとんど水量はない。 干立の長老に教わった話によると、1639年、ここで水浴びをしていた祖納村の豪族・慶来慶田城用親の娘が南蛮船に連れ去られる事件が起こった。その時さらわれた娘がとっさに草の葉を結んでこの泉に置いておいたことから芝結泉と呼ばれるようになったとのこと。 一方、祖納の星勲氏の著作「西表島の民俗」には、違うエピソードも掲載されている。 1501年に祖納村に漂着した異人がいた。、村人に救助され、そのお礼に鉄器具の製作や井戸掘りの技術を伝えるなどし、親しく交わった。やがて慶来慶田城用諸の娘と恋に落ち、異人が帰国するその日、意を決した娘は異人とともに島を出て行った。その時この泉で水を飲み、草の葉を結んで供え、「島の人よ、永遠に栄えて下さい」と祈ったことがこの泉の由来であるとのこと。 干立のシチで現れるオホホは前者のエピソードに由来し、祖納のシチに出てくるアンガーのフダチミは後者に由来している。 おなじ泉にまつわる話でも、隣の村同士で大きく違い、興味深い。 |